一般社団法人 経済社会システム総合研究所(IESS)

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理事長メッセージ

理事長 松山健士

 令和2年4月1日、「経済社会システム総合研究所」が設立されました。同研究所の理事長として一言ご挨拶を申し上げます。

 世界はいま、気候変動など地球環境問題の深刻化、繰り返される金融危機や格差の拡大等を背景とした市場経済化・グローバル化への疑念の高まり、少子高齢化をはじめ人口動態の急激な変化など「パラダイム・シフト」と呼ぶべき大きな構造変化に直面しています。この構造変化の中で機能不全をおこしている日本、そして世界各国が危機を乗越え、「国民の幸福(well being)」を実現していくためには、「経済社会システム」そのものの改革が必要と考えられます。経済社会システム総合研究所は、こうした危機感、問題意識を共有する経済界、学界等のリーダーにより設立されました。

 現在、我々はコロナウィルスの世界的感染拡大という第二次大戦後最大というべき危機に直面し、自らの行動によって、自分だけでなく、家族、友人、そして社会を守ろうとする意思を問われています。「社会的課題の解決」のためにいかに一人ひとりの力を結集するのかという問題も含め、本研究所が取組むべき課題は大きいと考えます。

 経済社会システム総合研究所の目指す方向は以下の4点です。
 第1に、あるべき「経済社会システム」の探求を目標とします。戦後、構築されてきた経済社会システムの下で政策対応を行うだけでは、現在の構造的危機を乗り越えることは困難です。経済社会システムそのもののあり方を探求し、改革に貢献して参ります。
 第2に、長期的視点から「国家100年の計」(Agenda for the nation)を探求します。「国家100年の計」というような大テーマは、国が考えるべきとの考え方もあるでしょう。しかし、国は常に短期間で成果をだすことが求められます。また、情報などの制約があることも考慮すべきです。民間が自主的な立場で長期構想を提案し、その実現に取組むことは健全な社会の発展にとって必要不可欠と考えられます。
 第3に、「国民の幸福(well being)」の実現を目標とします。そのためには、GDP等の経済指標の改善だけでなく、自然や社会の持続可能性の向上など「社会的課題の解決」や「主観的な充足」を高めることも重要な課題となります。
 第4に、社会的課題の解決における「民間の役割」を重視します。社会的課題への国民的な意識の高まりなどを踏まえれば、企業、消費者、労働者、市民など民間部門が果たすべき役割は大きい。民間がそうした役割を果たすことにより、政府は規制・制度の改革、再分配政策、金融危機の回避などの分野で増大する役割を効果的に果たすことが可能になると考えられます。

 経済社会システム総合研究所は、問題意識を共有いただける皆様と共に、現代の経済社会が抱える本質的な課題に全力で取組んで参ります。引き続き、ご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。