一般社団法人 経済社会システム総合研究所(IESS)

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会長 挨拶

次の新たな挑戦に向けて   会長 小林喜光

令和7年4月1日

 

 経済社会システム総合研究所は創立から5年が経過し、6年目を迎えることとなりました。

 この間、コロナ禍による大きな影響などもありましたが、会員企業の皆様はじめ、研究会で活発なご議論をいただいた有志企業の皆様や有識者の皆様など多くの関係者のご支援、ご協力より多くの研究を実施し、2度にわたり「提言」を行うことができました。この機会に改めまして深く御礼申し上げます。

 経済社会システム総合研究所は創設以来、一貫して、客観的なエビデンスの探求とそれを基礎とした政策・施策のあり方等に関する研究を推進し、「国家百年の計」として経済的価値だけでなく持続可能な自然・社会といった社会的価値を含む「ウェルビーイングの向上」の重要性、さらには、その実現のために人的資本や知的資本などの「無形資産」への投資の拡充が必要不可欠であることなどを提言してまいりました。

 しかしながら現在の世界情勢をみますと、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナ・ハマスの戦闘などの問題は解決には程遠く、各地において難民は増大しています。さらには、米国トランプ政権による関税政策やパリ協定からの離脱、WHOからの脱退表明など、これまで先人が築いてきた国際公共財を破壊しかねない動きも生じています。また、これまで地球温暖化対策などに先導的に取組んできたEUでもそれを見直す動きがみられます。持続可能性や世界のウェルビーイングはむしろ後退することさえ懸念される状況です。

 こうした厳しい国際情勢も踏まえ、経済社会システム総合研究所は次の5年間を「ウェルビーイング向上への取組みをより具体化すべき期間」と位置づけ、その取組みを支える研究・提言等を行う「KAITEKI未来研究会」をスタートすることといたしした。

  「KAITEKI未来研究会」では、ウェルビーイングに関する国民意識の変化などを把握しつつ、政府の政策・制度や企業、個人の取組みのあり方などについて研究を深めると同時に、サービス経済化の現状と課題に関する研究を推進することとしています。さらに、関係機関とも連携して、ウェルビーイングの向上に不可欠な社会的合意の構築に取組む予定です。

 経済社会システム総合研究所は次の5年に向け「新たな挑戦」を行って参ります。今後とも皆様のご理解、ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 
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